成年後見

しかし，子どもが遠くに住んでいる，仕事が忙しい，子どもたちの仲が悪くて誰か一人に任せにくいなどの事情で十分に財産管理ができないこともあります。そのような際には，弁護士に依頼して家庭裁判所に成年後見人をつけるよう申し立て，別の弁護士に成年後見人なってもらうという方法もあります。
成年後見人となった弁護士が，ご本人の通帳を管理し，入所している施設と連絡を取り合って，支払等を行いますので，ご家族の負担は減ります。
また，ご本人が意思疎通の能力を失っているけれども，遺産相続・交通事故などで書類にハンコを押さなければならないということもあります。そのような場合，ご本人の代わりに家族がハンコを押しても無効になりますので，成年後見人を立てて，代わりにハンコを押してもらうことになります。

ご両親が年を重ね，認知症等により理解力が低下してくると，悪徳商法の格好のターゲットになります。久しぶりに実家に帰ると，大量の羽毛布団がうずたかく積まれていたなどということもありえます。
弁護士に依頼してお金を取り返そうにも，ご本人の記憶があいまいでどのようなことが起こったのかわからないということがあります。領収書ももらわずにお金を渡しているということもありえます。
成年後見人がついていれば，「本人が行った契約なので取り消す。」と通知すれば契約は取り消せます。